SAKI
KATO

商品開発加藤紗希2013年入社
想いをお菓子に込めて、創造していく仕事。
商品開発の面白さがそこに。

入社後、伊勢丹新宿店の売場で1年間販売を経験。2014年4月に、商品開発グループに配属となる。配属後は製造の現場を理解するために2ヵ月間の工場研修、その後3ヵ月間の製菓研修を経て、新商品の製品化業務に携わる。2016年10月より、新商品に関わる配合表等の資料を作成・管理する業務を担当している。

「お客様にとってより良い判断か」
判断の基準は、常に「お客様起点」

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商品開発部は現在4つの業務に分かれています。1つは企画部門と連携し商品の設計をする仕事。2つ目は設計されたものを試作し、配合を決め、完成した試作品を工場の生産ラインに乗せる(落とし込みをする)仕事。そして3つ目が、今私が主に担当している書類作成・管理の仕事。4つ目は食品の表示情報やアレルギー情報の作成・管理の仕事です。

書類作成・管理の業務とは、新商品の生産資料、取引先様への仕様書の作成・管理等、生産・販売に向けた資料のすべてを管轄する業務です。中心となるのが、生産資料の作成・管理で、工場で安定的に生産できるよう原材料の比率を書いた配合表や生産工程表、商品の規格や賞味期限等を設定した書類も作っています。年間およそ200を超える新商品が作られているので、膨大な情報量を管理しています。この書類を基に生産や、お客様からのお問い合わせへの対応が行われるので、情報に誤りや抜けがないか、チェック体制を強化しながら進めています。

書類作成・管理の担当になる前は、新商品を工場の生産ラインに落とし込む仕事を2年ほど担当していました。商品開発の試作室で少量作る場合と、工場の機械で大量に作る場合とでは当然差異が出てきます。スムーズにいかないことも多いので、自分の考えだけでなく、それぞれの業務の専門の方に意見を聞くことがとても大事だと感じました。また、落とし込み作業を進めていく際は、様々な段階で「判断」が必要になります。この焼き色でいいか、焼き加減はどうかなど、的確な判断をスピーディに行わなければなりません。その際は「これはお客様にとってよりよい判断か」を常に考えるよう心がけています。商品開発の仕事は、製造(工場)寄りの仕事が多く、お客様に直接対面する機会はほとんどない仕事です。だからこそ、常にお客様のことを意識しなければならないと思っています。

テストに想定以上の時間を要した新商品の製品化
スタッフ一丸となって無事生産へ

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これまで私が携わった仕事で最も難しかったことが、それぞれ味も色も違う6種類のラングドシャー生地を、サイズが同じ詰め合わせ商品として製品化する仕事です。生地を型にすり込む新しい機械を入れての製品化でしたが、6種類それぞれの配合に特徴があるため、生地の焼き上がりのサイズが異なり、見た目の大きさを揃えることにとても苦労しました。工場自体もラングドシャーの生産が初めてだったこともあり、導入前には機械メーカーでの事前テストも行い、設定値を決めたうえで臨んだテストでした。しかし、実際に始めてみると、焼き上がりが揃いませんでした。そこで、使用する生地の重量を微妙に変えて、いくつものパターンで焼き、ひたすらデータを取り続けるという地道な作業の繰り返しに…。

販売開始の日程は決まっていましたので、何をどう調整できるかを見極めながらの作業でした。落とし込みは私一人で行うこともありますが、この時は試作担当者と一緒に調整を続け、工場の担当スタッフおよび製造部長も付き添って協力してくださいました。2日間のテスト予定がまるまる4日間になりましたが、自分だけの考えではなく、それぞれの立場の方の意見を考慮してひとつずつ課題を解決し、無事に製品化にこぎ着けることができました。スタッフが一丸となったことで、乗り越えられたのだと思います。

商品開発は、企画や設計担当、試作をするシェフ、表示シールを作成するチーム、そして工場のスタッフなど、いろいろな人と関わりながら進めていく仕事です。そうした方々と一体になって、想いを込めながら商品として作り上げていくのが、商品開発の面白さであり、やりがいにもなっていると感じています。

今後は、新商品の設計に携わってみたいと思っています。多くの専門的な製菓知識も必要ですし、立ち上げから販売までのスケジュール管理など大変なことも多いと思いますが、私が配属されてから目標にしてきた年齢の近い先輩方も担当しているので、そこを目指して私も頑張っていきたいと思います。

※部署名はインタビュー当時のものです。

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私の仕事をパワーアップしてくれたのはこれ! 中学から茶道を始め、一時お休みしていた時期もありますが、数年前に再開し、週末にお稽古に通っています。年齢を経て、その面白さがわかってきました。先生は86歳で、お茶が好きで楽しくてしかたないという方。いつもキラキラとして可愛らしく、自分の道を究めている方はいくつになっても素敵なのだな、と。他のお弟子さんたちも、70代の方がほとんど。私のすぐ上の方でも50代です。茶道は空間も非日常的ですが、そうした普段接する機会の少ないご年配の方々との交流も刺激的です。いつも、女子会みたいに盛り上がり、楽しくてとてもリフレッシュできます。